「マンション標準管理規約」が改正されました 〜特別決議のルールが変わります〜
国土交通省から、昨日(10月17日)に新しい「マンション標準管理規約」が公開されました。
これは 令和8年(2026年)4月に施行される区分所有法の改正 に対応した内容です。
今般の改正では、総会の開催手続きや決議要件といった管理組合の運営上重要な内容が含まれており、
特に注意が必要なのが「特別決議」の要件が変わる ということです。
■ 現行法の決議要件(いままで)
これまでは、
組合員総数の4分の3以上、かつ議決権総数の4分の3以上の賛成
となっていました。たとえば100戸のマンションなら、少なくとも75戸の賛成 が必要だったわけです。
連絡のとれない組合員や総会を無視する組合員も数に含まれるため、重要な案件ほどなかなか決議が通らず困ってしまう、という課題がありました。
■ 改正後の要件(令和8年4月施行)
新しい法律では、次のように変わります。
「組合員総数の過半数であって、議決権総数の過半数を有する組合員の出席を要し、出席組合員およびその議決権の各4分の3以上の賛成」
つまり、総会に出席した人の4分の3以上が賛成すれば可決できる 仕組みになります。
出席者の条件に“過半数”が加わった分、バランスをとりながらも実際の運営がしやすくなるよう工夫された形です。
■ 管理規約に別の定めがあっても「無効」に
この新ルールは強行規定(法律で絶対に決まっているルール) です。
そのため、たとえ管理規約に「組合員総数の4分の3以上、かつ議決権総数の4分の3以上の賛成」と書かれていても、令和8年4月以降の総会からは自動的に新ルールが適用 されます。
逆に、改正前(令和7年3月まで)に行う総会では、現行法の要件 で決議しなければなりません。
「先取り改正」はできませんのでご注意ください(令和8年3月までに管理規約を改訂する場合は、改訂された管理規約の施行日を令和8年4月1日にすることで
■ これを機に管理規約の見直しを
今回の標準管理規約の改正は、区分所有法の改正にあわせて条文全体が変更、整理されています。
用語や手続の細かな部分も見直されていますので、この機会に一度、管理規約全体を点検・改正しておくことをおすすめします。
とくに、マンション竣工当時に作った管理規約をそのまま使い続けている場合は、現行法・改正法との間にずれが生じていることも少なくありません。
将来のトラブルを防ぐためにも、「うちは大丈夫」と思わず、一度内容を確認してみてください。
管理規約の見直しや改正に関するご相談・ご依頼も承っています。お気軽にお問い合わせください。
リンク・国土交通省「マンション標準管理規約」を改正します(プレスリリース)
~皆様のマンションの管理規約も見直しが必要です~