【2026年4月施行】マンション法改正で何が変わる?管理規約見直しが「急務」である理由と5つのポイント
2026年4月、マンションの管理や再生に関する法律が大きく変わります。
今回の改正は、これまで多くの管理組合を悩ませてきた「決めたくても決められない」という問題に切り込む画期的な内容です。
修繕決議の要件緩和や、所在不明の所有者を決議対象から外す仕組みなど、老朽化マンションの再生を後押しする施策が盛り込まれています。
しかし、法律が変わっても、管理組合の「憲法」である管理規約が古いままでは、新制度を十分に活用することはできません。
むしろ今回の法改正は、「今の規約で本当にマンションを守れるのか」を見直す絶好の機会です。
あなたのマンションは、次のような状態になっていませんか?
こんな管理規約のままになっていませんか?
- 何十年も規約を改正していない
- 標準管理規約の古い版をそのまま使っている
- 所有者の高齢化で、連絡が取れない人が増えている
- 空室や相続未了の部屋が目立ってきた
- 管理会社任せで、規約の中身を誰も把握していない
こうした状態を放置すると、いざ修繕や建替えが必要になった際、「規約に定めがない」「決議ができない」という事態に陥りかねません。
今回の法改正で特に関わる「規約見直し」5つのポイント
法改正のメリットを最大限に引き出すために、特に見直すべき5つのポイントを整理しました。
1. 総会・理事会の運営ルール
今後は、修繕等の決議について「出席者の過半数」で決定できる場面が増えます。
これに伴い、以下の項目を規約や細則で明確にしておく必要があります。
- 委任状・議決権行使書の取り扱いの明確化
- 総会の成立要件の再定義
- オンライン出席やITを活用した書面決議の導入
- 理事会の開催方法(WEB会議の可否など)
特に高齢化が進むマンションでは、会場に来られない所有者の意思をどう反映させるかが、総会成立の鍵を握ります。
2. 所在不明者・相続未登記の住戸への対応
法改正では、裁判所が認定した所在不明者を決議の母数から除外できるようになります。
しかし、管理組合側で「誰が所有者か」を把握する努力が前提となります。
- 居住者・所有者の届出義務の徹底
- 相続発生時や住所変更時の連絡義務
- 緊急連絡先の登録規定
「連絡がつかないから仕方ない」で済ませず、平時から情報を収集する仕組みを規約に盛り込みましょう。
3. 管理費等の滞納への対応
空室や相続未了住戸の増加は、滞納リスクの直結します。
将来のトラブルを防ぐため、今のうちに回収ルールを強化しておくべきです。
- 滞納時の督促手順の明文化
- 遅延損害金の設定
- 弁護士費用や回収費用の個人負担に関する規定
4. 管理会社との関係(利益相反の防止)
管理会社が管理組合の管理者を兼ねる「第三者管理方式」が増えています。
改正法では、管理会社が自社グループに工事を発注する際の事前説明が義務化されます。
- 工事発注時の相見積りのルール化
- 一定金額以上の工事に関する総会決議の徹底
- 利益相反取引が発生する場合の手続規定
透明性の高い運営を行うためのルールを規約に明記しましょう。
5. 老朽化マンションの将来像(再生検討)
建替え、一棟リノベーション、敷地売却など、老朽化への対策は突然決まるものではありません。
- 再生検討のための専門委員会の設置規定
- 長期修繕計画と将来の選択肢を話し合う場の構築
今のうちから「話し合いの土台」を規約で作っておくことが、スムーズな合意形成への第一歩です。
管理規約の見直しは「問題が起きる前」に
多くの管理組合は、問題が深刻化してから規約を見直そうとします。
しかし、以下の状況になってからでは手遅れになるケースが少なくありません。
- 相続人が行方不明で連絡が取れない
- 決議要件が満たせず、必要な修繕ができない
- 多額の滞納金が発生し、法的措置が遅れる
今回の法改正は、まだ問題が表面化していないマンションにとっても、
将来に備えて「盾」を整える絶好のチャンスです。
まずは次の3ステップから始めましょう
「何から手をつければいいかわからない」という理事会の方は、まず以下の3点を確認してみてください。
- 現状把握:今の管理規約がいつ作成され、最後にいつ改正されたかを確認する
- 比較:国土交通省の「標準管理規約」の最新版と見比べてみる
- 議題化:理事会や総会で「規約見直し」を検討事項に挙げる
管理規約は、マンションの資産価値と住み心地を守るための命綱です。
2026年の法改正を機に、自分たちのマンションの未来について、一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか。

